2016年7月17日日曜日

自然と農業

ファーマータナカの新農業講座。
「自然と農業(自然生態系と農業生態系)」
(今回も期待はずれで真面目なので、興味のある方のみお付き合い下さい)

緑の水田は目を和ませる。...
水路には蛙やメダカが生息し、背後の山を見渡せば自然の懐にゆったりと抱かれている気持ちになる。
最近でこそ環境問題が声高に叫ばれるが、自然と農業は一体となっているような感じだ。
しかし、子供の頃漫然と自然だと思っていた森林が人工林であったように、農業(田畑)も自然ではなく、いわば自然の対極にあるものであった。
今日は自然と農業の違いを見ていく。


よく生態系と言われるが、生態系には自然生態系と農業生態系がある。

自然生態系は皆さんがよくご存知の通り、その土地にあった多様な植物(生産者という)が育ち、草食動物(昆虫等も含み、一次消費者という)が植物を食べ、肉食動物(二次消費者という)は草食動物や他の肉食動物を食べ、枯れた植物と動物の排泄物や死骸は微生物によって分解されて無機物となり、再び植物の栄養として利用される。
いわゆる、食物連鎖や栄養連鎖と呼ばれるものであり、物質とエネルギーの循環はその中で完結する。

一方農耕地では、土地が耕され、水や肥料が生態系の外から投入される。
作物を育てるにはそこにある肥料分だけでは不十分で、さらに作物は収穫物として生態系から取り除かれてしまうので、土地の栄養分にはならず、更にまた肥料分が必要になる。
要するに物質とエネルギーの循環はその中だけでは完結しないのが大きな違いである。

農業生態系では、
第一に単一の農作物が広範囲に栽培されていること、
第二にあらゆる面で充分な手が加えられているため栄養が高くなっていること、
第三に育種や改良により、植物体が本来持っていた自己防衛物質(天然農薬的なもの、苦味やエグ味もこれに含まれる)が除かれているか少なくなっている低毒性のものとなっていることが、自然生態系の植物と大きく相違する点だ。

自然生態系では、植物は本来一次消費者に食べられるために生まれてきたのではないが、食べられる運命にある。
だが農業生態系では多様な一次消費者は存在せず、昆虫相の単純化が引き起こされる。
だとしても一次消費者が植物を食べるのは生態系の中では自然な流れであるのだが、これを食物連鎖の頂点に立つ人間は病害虫と呼び、その流れを遮らなければならなかったのである。

病害虫を取り除く最高最大の技術が、まさしく農薬の誕生なのであった。
(2009/04/12記)



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