2016年7月12日火曜日

わが大地のうた

ファーマータナカの My Favorite Songs。「わが大地のうた」。

この空模様、ウォーキングに行くかどうかの些事に少し右往左往したり、テロやEUや選挙での世界と日本の状況にちょっとうんざりしたり、そんな荒梅雨の間隙に…。

道東の極寒の牧場にいた頃にも、高石友也とナターシャセブンの歌で、この曲を聴いた。...
語りかけるように歌う高石友也に、何故か素直に自然やその時の己の境遇を受け入れる自分がいた。


てっきり高石友也の曲だとばかり思っていたこの曲が、笠木透という人の作品だったと知ったのは、少し時が流れてからだった。

笠木透氏(「わが大地のうた」という本がある)や、藤本敏夫氏(加藤登紀子の忘夫・大地を守る会設立)の「農的幸福論」から彼らの生き様をみてみると、見てくれだけは同じように農や自然に携わっていたのだが、彼らのその真摯な生き方に比して、ファーマータナカのなんと空疎でちゃらんぽらんだったことか。

その後性懲りもなく約20年後に再チャレンジ(といえば格好いいが)、その時はいわゆる水耕栽培、だからというわけでもないだろうが、又しても地(土)に足がついていなかった、とも言える。

それはともかく、ファーマータナカは別に国家主義者でもないし、自然主義者でもないが、その時々の酪農とか農業という生業の中で、壮大な歴史や自然や季節の移ろいと、その中にいるちっぽけな自分を、その時々ふと俯瞰していたのは事実だろったろう。

そして今、前進もましてや悟りもない、退化退行してしまっている成れの果ての自分を見る。
(2003/07/20記を加筆修正)

わが大地のうた  【作詞】笠木 透  【作曲】田口 正和.

落葉松(からまつ) こめつが 針葉樹林
かもしか つきのわぐま 走る稜線
そびえ立ち 連なる 我が山々よ
そびえ立ち 連なる 我が山々よ

いくたびか春をむかえ
いくたびか夏をすごし
いくたびか秋をむかえ
いくたびか冬をすごす

柿の木 赤つち畑 広がる水田
かわやなぎ 青い水 流れる河川
この土地に 生きている 私の暮らし
わたしに流れる 人たちの歴史

わたしがうたう うたではない
あなたがうたう うたでもない
わが山々が わたしのうた
わが大地が わたしのうた

かるかや かやつりぐさ 沸き立つ積乱雲
からすうり 月見草 風わたる草原
この土に わたしの すべてがある
この国に わたしの いまがある

いくたびか春をむかえ
いくたびか夏をすごし
いくたびか秋をむかえ
いくたびか冬をすごす

かもめどり 黒松 岩礁海岸
かつおどり うみつばめ うねる水平線
この国の 歴史を 知ってはいない
この国の 未来を 知ってはいない

けれども わたしは ここに生まれた
けれども わたしは ここに育った
わたしがうたう うたではない
あなたがうたう うたでもない
わが山々が わたしのうた


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